
特集
ニコライ・アストルップ——ノルウェーの谷から、日本へ
ノルウェーの画家、1880–1928。生涯、西部の谷ヨルステルを描きつづけました。
夏至の焚き火、自らつくった庭、明るい夏の夜。生涯ひとつの谷を描きつづけた画家に、日本で初めて会えます。行く前に読むもの・聴くものを、ここに集めました。
見どころを聴く1:23日本での展示
ニコライ・アストルップ 創造する庭
東京ステーションギャラリー
2026年11月21日(土)〜2027年1月31日(日)ニコライ・アストルップとは
ニコライ・アストルップ(1880–1928)は、ノルウェー西部の谷ヨルステルを生涯の主題にした画家です。牧師の家に生まれ、1883年から、父が赴任したヨルスター湖畔の村で育ちました。
1913年から亡くなるまで住んだのは、湖の対岸サンダルストランド。この地所を自給自足の農園として、ひとつの作品のように耕しました。庭のなかに視点を定め、そこから見える風景を20点あまりの絵に描いています。1
代表作は、夏至祭の焚き火の連作です。1906年から1912年にかけて、明るく鮮やかな色彩でこの主題をくりかえし描きました。2
もうひとつの顔は木版画です。プレス機を使わず、手や木片で紙の裏を擦る「日本式」の摺りで刷り、刷り上がりに筆で色を加えました。エドヴァルド・ムンクと並んでノルウェー近代木版画の先駆者とされ、ムンクは彼の版画を3点買い求めています。1
プロフィール
- 原語表記
- Nikolai Astrup
- 生没年
- 1880–1928(ノルウェー)
- 育った土地
- ノルウェー西部・ヨルステル(ヨルスター湖畔)
- 描いたもの
- 夏至祭の焚き火、自らつくった庭から見える風景12
- 技法
- 油彩と、手彩色を加えた木版画1
- パリで学んだもの
- ゴーギャン、ドニ、ルソー、そして葛飾北斎2
- 作品のある場所
- ベルゲン美術館、旧居アストルップトゥーネット(ヨルステル)23
- 日本での展示
- ニコライ・アストルップ 創造する庭/東京ステーションギャラリー/2026年11月21日〜2027年1月31日
よくある質問
- 代表作は?
- 夏至祭の焚き火を主題にした連作です。1906年から1912年にかけて、明るく鮮やかな色彩でくりかえし描きました。自らつくった庭から見える風景を描いた一群も、代表作に数えられます。12
- ムンクとの関係は?
- 同じ時代のノルウェーで、ふたりは近代木版画の先駆者とされます。ムンクはアストルップの版画を高く評価し、「少年の頭部」を含む3点を買い求めました。1
- 日本とのつながりは?
- パリ留学中に葛飾北斎の作品を研究しています。木版画では、プレス機を使わず手や木片で紙の裏を擦る「日本式」の摺りを用いました。12
- 作品はどこで見られる?
- ノルウェーでは、ベルゲン美術館が油彩・木版画・素描のまとまったコレクションを持ちます。ヨルステルの旧居は「アストルップトゥーネット」として公開されています。23
出典
- 1.Nikolai Astrup — 公式カタログ・レゾネ
- 2.Per A. Holst『ニコライ・アストルップ ― ヨルステル出身の色彩豊かな画家』(Per A. Holst Forlag・2008)
- 3.ja.wikipedia.org
彼が書いた言葉から
あなたは私がパリへ行くべきだとお考えのようですが、私はもう行ったことがあります。フランスの芸術は知っていますし、率直に言って本当にうんざりしているのです。
これらすべては、ひどい戯言のように聞こえるだろう。色彩に対する感情のように個人的なものに、確固たる価値を設定することなどできない。私にとって色彩は時が経つにつれてますます不可解なものになっていく。
エイリフ・ペーテルセン風景画家
長年、私、そして私と共に多くの者が雨を描こうと試みてきた。そこへアストルップが現れて、ただ雨を降らせたのだ!
作品を、聴く
一枚ずつ、見どころを音声でご案内します(日本語・English)。




