にじむ庭の時間
3 works
にじむ庭の時間
同じ池なのに、近づいたり離れたりすると光の感じが変わって見えます。水面の反射、花や葉の色、そして橋の影。3枚を並べて、目が泳ぐような“水の見え方”を一緒に追いかけましょう。
見て、池の上に弧を描く橋。青灰の影が水面に落ちて、その下で睡蓮のピンクがちらちらします。筆触が短く重なって、光がほどけるみたい。日本の太鼓橋って思うと、この静けさ、少し異国っぽくないですか。緑やラベンダーブルーに赤い点が効いて、目が水に吸い込まれます。
今度は水面が消えて、青緑の空気に包まれる感じ。中央右のアイリスが、紫の粒でふわっと浮いて見えます。手前の黄緑の葉は長く垂れて、風の通り道みたい。ここ、池のきらめきと同じ“にじみ”で見てみませんか。ロンドンのナショナル・ギャラリー(NG6383)にあるのも、光の研究室みたいで面白いです。
この水面、境目がつかめないですね。中央の青い反射がすっと広がって、そこに睡蓮の白や薄桃が漂います。右上は急に暗く沈んで、木陰が水に溶けたみたい。橋や池があるはずなのに、反射だけが前に出てくるの、不思議じゃないですか。晩年の主要な題材だったからこそ、見る私たちの視線まで水に浮かぶ気がします。