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Cupid and Psyche

Cupid and Psyche

Jacques-Louis David
Date1817
Departmentcanvas
SourceWikipedia
画像出典Wikimedia Commons ・ パブリックドメイン

この作品について

描かれているもの

眠るプシュケの頭上には小さな蝶が舞っています。これは魂の象徴であると同時に、「死と超越」を意味しており、毎朝彼女を置き去りにするキューピッドとの残酷な関係を暗示しています。[1] キューピッドは鑑賞者を真っ直ぐに見つめ、不敵な笑みを浮かべています。この視線は、眠るプシュケとの不均衡な力関係に、私たち鑑賞者を「共犯者」として引きずり込むような不快感を与えます。[1] キューピッドの翼は、神々しい輝きを放つどころか、使い古されたようにボロボロで醜く描かれています。彼は神ではなく、欲望にまみれた地上の存在として再定義されているのです。[1]

技法と様式

ダヴィッドはキャンバスに下絵を転写した後、通常ではありえないほど大幅な変更を加えました。特に背景の装飾は制作の最終段階で追加されており、彼の並々ならぬこだわりが伺えます。[1]

背景と物語

ナポレオン失脚後、ダヴィッドは国王からの恩赦を拒否してブリュッセルへ亡命。本作は、かつての帝国の宮廷画家が異郷の地で最初に完成させた、再起をかけた記念碑的作品です。[1] 依頼主のソンマリーヴァは、怪しい金融取引で巨万の富を築いた成金でした。彼は自らの評判を高めるため、あえて物議を醸すような野心的な作品をコレクションに加えました。[1] 神であるキューピッドのモデルを務めたのは、当時17歳だったアメリカ外交官の息子ジェームズ・ガラティン。その「思春期の少年そのまま」の生々しい肉体が、伝統的な美の基準を打ち砕きました。[1] 理想化された美を追求してきたダヴィッドが、あえて「醜く、不健康で、卑俗な」キューピッドを描いたことは、当時の批評家たちに「亡命による才能の衰退」と酷評されるスキャンダルとなりました。[1] 室内装飾には、ナポレオン時代の流行である「アンピール様式」が細部まで描き込まれています。これは亡命中のダヴィッドが、かつての栄光の日々を懐かしんで描き加えた記憶の断片かもしれません。[1] 伝統的な神話画では「純愛」として描かれる主題ですが、本作のキューピッドはどこか邪悪で、プシュケは無防備な犠牲者のようです。ダヴィッドは神話を「倒錯した愛」の物語へと変貌させました。[1]