



はじめに ・ 読む
はじめに — そもそもルネサンスとは
まずは作品の前に、時代そのものをのぞいてみましょう。
「ルネサンス」という言葉を、どこかで耳にしたことがあるかもしれません。もとは「再生」という意味で、だいたい14世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパで起きた大きな文化の動きを指します。最初に火がついたのはイタリアの都市フィレンツェ。やがてイタリア全土へ、そしてアルプスを越えた北のヨーロッパへと広がっていきました。
では、何が「再生」したのでしょう。答えは、はるか昔の古代ギリシャ・ローマの文化です。それまでの中世ヨーロッパでは、世界の中心はいつも神さまでした。けれどこの時代、人々は古代の書物や彫刻を読み直し、「人間そのものが素晴らしいのではないか」と考えはじめます。この、人間の理性や生き方を大切にする考え方を人文主義と呼びます。神中心から人間中心へ——これがルネサンス最大の変化です。
なぜイタリアから始まったのでしょう。当時のフィレンツェは商業と銀行業で栄えた豊かな都市で、メディチ家のような大富豪が芸術家を手厚く支えました。お金を出して芸術を支える人をパトロンと呼びます。さらに東のコンスタンティノープルが陥落し、古代の文献を抱えた学者たちが逃れてきたことも、古典の再発見を後押ししました。
これから、人間が主役になっていくこの時代を、5枚の名画を入り口にのぞいていきましょう。
出題出題されやすい語重要語地名・年号・概念・技法