第2章 ・ 見どころ
季節をつかまえる — 雪の連作(見どころ)
見どころ
- 地面や家々、草木をおおう、泡のような雪の層
- 力強い筆づかいで塗り重ねられた雪
- 煙突や低木、右手の男性の服にさす、小さな色のアクセント
- パリの西30マイル、セーヌ川沿いにあった画家の自宅
書き起こし
1879年の冬、フランスは記録的な寒波に見舞われました。ピサロはその厳しい季節を、パリ郊外のポントワーズで過ごしていました。 手前の傾斜地をご覧ください。黄みがかった白が画面を静かに支配し、雪に埋もれた大地の重さが伝わってきます。 足元の雪に目を近づけると、筆跡が泡立つように盛り上がっているのがわかります。ピサロは雪の質感を滑らかに均すのではなく、力強い筆致で積み重ねることで、光と影の微妙な揺らぎを捉えました。 右側にひっそりと佇む人物の衣服の色が、白一色の世界に小さなアクセントを与えています。ピサロが生涯で100点近い雪の絵を描き続けたのは、こうした日常の断片に宿る詩情を追い求めていたからでしょう。 雪というテーマはモネやシスレーも共に探求しましたが、ピサロの筆には大地への親密な眼差しが宿っています。
出典(4)
- 1.カミーユ・ピサロは生涯を通じて雪というテーマを追求し続け、100点近い「雪」の絵画を制作した。Art Institute of Chicago
- 2.1879年にフランスを襲った極めて厳しい冬が、ピサロが本作を含む一連の作品で雪の情景を探求する背景となった。Art Institute of Chicago
- 3.ピサロは、クロード・モネやアルフレッド・シスレーといった印象派の画家たちと共に、雪のテーマを追求した。Art Institute of Chicago
- 4.画家の力強い筆致により、地面や家屋、植物が泡のような質感の雪の層で覆われている様子が表現されている。Art Institute of Chicago