多様さを味わう
3 works
多様さを味わう
同じ「猫」なのに、筆のにじみ、色の面、物語の気配で美しさが全然ちがって見えてきます。3枚を並べて、私たちの“かわいい”や“上品”の感覚がどう動くか、一緒に確かめてみませんか。
まずこの余白、静かで大きいですね。墨のにじみだけで丸く座る猫、背中の黒がふっと締まります。顔は上を見上げて、何かを待ってるみたい。清朝の中国の絵って聞くと、この抑えた美がいっそう沁みません?
さっきの墨の静けさから一転、ここは色の部屋みたい。立ち姿の遊女の袖や帯がすべって、顔はほんのり頬が白いですね。猫に手を伸ばす子の視線まで柔らかい。浮世絵は刷りの色面だから、空気まで整って見えません?
今度は細長い画面、女の顔がすっと横に伸びて上品。足元では三毛猫がころんと戯れて、緊張がほどけます。春信に似た様式を湖龍斎が追った時代だと思うと、“美”って真似しながら更新するものかも。あなたはどの猫が一番近い?