闇に浮く輪郭
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闇に浮く輪郭
夜の光って、明るさというより「見え方の変化」かもしれません。ウィスラーの滲む夜景から、ムンクの月光へ。闇が形をほどき、また結び直す瞬間を一緒にたどります。
左の建物、黒がにじんで壁の白さが息みたいに浮きます。下の水面は筋が走って、灯りが溶けた跡みたい。輪郭が消えかけるのに、夜の光だけは残る…そう見えません?エッチングの細線と拭きの濃淡だから、記憶の夜景みたいに揺れるのかも。
さっきの“輪郭がほどける”感じ、今度は遠景で起きてますね。青灰の空と水がほぼ同じで、地平線だけがうっすら。手前の小舟、ぽつんと黒い点が夜の呼吸みたい。刷りのトーンを重ねる版画だから、光が「霧の層」として溜まるのかも。
ここでは夜の光が、霧じゃなくて“道筋”になってませんか。窓の外の月明かりが、床や壁の面をそっとなでる感じ。暗い影が逆に形をはっきりさせて、静けさが増します。19世紀末のムンクは心の景色を重ねたと言われて、あなたの夜の部屋も思い出してしまいますね。