考える人
0:000:00
見どころ
1分25秒
解説の書き起こしと出典
事実に基づく記述には出典を明記しています。番号は下の一覧に対応します。
19世紀末、彫刻家ロダンはフランス政府から装飾美術館の扉口制作を依頼され、ダンテの『神曲』を主題とする壮大な『地獄の門』を構想します。1本作はその中心として生まれました。 当初この像は「詩人」と呼ばれ、地獄の業火を見下ろしながら叙事詩を構想するダンテその人を象徴していました。2 顎を右手で支えるこの姿勢は、単なる休息ではありません。全身の筋肉が緊張し、人間の苦悩と運命について深く葛藤する内面が、肉体そのものを通じて語られています。3 ロダンはあえて衣服を纏わせず、鍛え上げられた裸体で表現しました。4これにより、特定のダンテを超えた「思考する人間」の普遍的な象徴となっています。 ブロンズの表面には丁寧なパティナ処理が施され、素材に生命感と精神性が宿っています。5ミケランジェロの伝統を継ぎながら、近代彫刻の新たな地平を切り開いた作品です。
出典(5)
- 1.ja.wikipedia.org — 1880年、フランス政府から装飾美術館の扉口制作を依頼されたロダンは、ダンテの『神曲』地獄篇を主題とした巨大な彫刻『地獄の門』の構想を開始し、その中心的な像として本作を制作しました。
- 2.ja.wikipedia.org — 本作は当初「詩人」と名付けられ、地獄の業火を見下ろしながら自らの叙事詩を構想するダンテ・アリギエーリを象徴する存在として、『地獄の門』の最上部、欄間の中央に配置される予定でした。
- 3.ja.wikipedia.org — 岩に座り、右肘を左の太腿に置いて顎を支える独特の姿勢は、単なる休息ではなく、人間の運命や苦悩について深く思索にふける内面的な葛藤を、全身の筋肉の緊張を通じて表現しています。
- 4.ja.wikipedia.org — ロダンは、伝統的なダンテ像のような衣服を纏わせず、あえて筋骨逞しい裸体として描くことで、特定の個人を超えた「知性と詩」の普遍的な象徴、あるいは芸術家自身の自画像的な表現を追求しました。
- 5.ja.wikipedia.org — ミケランジェロの彫刻伝統を継承する英雄的な裸体表現を用いながらも、パティナ処理や研磨による精緻な表面仕上げを施すことで、ブロンズという素材に生命感と深い精神性を宿らせることに成功しています。
