Menu
The Death of Cleopatra

The Death of Cleopatra

Juan Luna
Date1881
SourceWikipedia
画像出典Wikimedia Commons ・ パブリックドメイン

この作品について

描かれているもの

クレオパトラの命を奪ったとされる毒蛇は、画面中央ではなく、柱の根元でひっそりと逃げ去る様子が、かろうじて見える程度に描かれています。[1] プルタルコスの記述に基づき、女王の足元で既に絶命した侍女イラスと、王冠を整えた直後に崩れ落ちる侍女ハルミオンの二人の姿が劇的に描かれています。[1] 背景には死者の守護神アヌビスの像が配置されており、女王の死と、その後に待ち受ける冥界への旅路を不気味に予感させる構成になっています。[1] 傍らのランプから立ち上る煙は、彼女が息絶えた直後であることを示唆しています。この演出が、静寂の中に漂う神秘的なオーラを作品に与えています。[1]

背景と物語

1887年の展示を最後に公の場から姿を消していましたが、130年後の2017年、シンガポール国立ギャラリーでようやく再び一般公開されました。[1] 世界屈指のプラド美術館において、フィリピン人画家の作品で常設展示されているのは、本作を含めてわずか3点のみという極めて稀な存在です。[1] 植民地出身のフィリピン人画家ルナが、宗主国スペインの美術展で銀賞を受賞。ヨーロッパの巨匠を凌駕する才能を示し、フィリピン人の民族意識を高める象徴的な事件となりました。[1] 本作の習作(ボセト)が2019年のオークションに登場し、約930万フィリピン・ペソ(約2500万円)という驚きの高値で落札され、話題を呼びました。[1] 当時の流行を反映し、クレオパトラの胸元は透けるような布で覆われ、死の場面でありながら官能的なエロティシズムを強調する表現がなされています。[1] 当時、5,000ペセタという絵画としては史上最高額で売却されました。ルナはこの成功により、マニラ市政府から年金奨学金を受ける権利を勝ち取っています。[1]