

The Big Picture
Tom Robertsこの作品について
描かれているもの
画面には269人もの人物が描き込まれています。ロバーツは正確を期すため、対象者一人ひとりに身長、体重、帽子のサイズ、さらには出生地まで聞き取り調査を行うという執念を見せました。[1] 画面中央上部には「連邦の父」ヘンリー・パークスの肖像画が描かれていますが、実は彼は式典の5年前に没しており、実際には存在しません。ロバーツが敬意を表して描き加えた、歴史的な嘘です。[1] 実際の式典よりも演台を高く描くなど、ロバーツは芸術的な演出を加えています。新聞が報じた「奇跡的な光の差し込み」を劇的に描き、国家誕生の神聖な雰囲気を強調しました。[1]
技法と様式
式典当日はビクトリア女王の喪中だったため、出席者の多くは黒服でした。画面が暗くなりすぎるのを防ぐため、ロバーツは合唱隊の白や、偶然差し込んだ一筋の光を強調して描いています。[1] この巨大な作品は、持ち運びを考慮して3枚の亜麻布パネルを繋ぎ合わせて作られています。しかし、長年の移動や不適切な保管によりキャンバスは歪み、一時は修復不可能なほど劣化していました。[1]
背景と物語
縦3メートル、横5メートルを超える巨大なキャンバス。あまりの大きさに、かつては持ち運びのために半分に折り畳まれたり、議事堂の窓を取り外して搬入されたりしたという驚きの逸話があります。[1] 作品はイギリス王室の所有物ですが、1957年以来オーストラリアへ「永久貸与」されています。2001年にはオーストラリアへの完全な所有権移転を求める運動が起きるなど、政治的な火種にもなりました。[1] 制作費は当時で2000ギニー以上、現在の価値で約32万ドルに相当します。ロバーツは500枚の複製画には署名しましたが、肝心の巨大な原画には自身の署名を残していません。[1] 当初、ロバーツは制作の第一候補ではありませんでした。また、特定の人物をより目立つ位置に描くよう、有力者から賄賂を受け取っていたというスキャンダラスな噂も流れたといいます。[1]
制作
1901年の連邦結成を祝う歴史的瞬間を描くため、ロバーツは2年半の歳月を費やしました。メルボルンからシドニー、さらにはロンドンまで、出席者のスケッチを求めて旅を続けたのです。[1]