Portrait of George Washington Taking the Salute at Trenton
John Faedこの作品について
描かれているもの
ワシントンが跨る愛馬「ブルースキン」の鞍の下には、軍装としては非常に珍しく、かつ豪華なヒョウの毛皮の敷物が描かれており、視覚的なアクセントとなっています。[1] この肖像画のワシントンの顔はフェイドの独創ではなく、ギルバート・ステュアートが描いた有名な「アテネウム肖像画」をモデルに模写して構成されています。[1]
背景と物語
1969年には約66万ドルという高値で落札されましたが、1984年のオークションではわずか4万3千ドルで落札されるなど、市場価値が劇的に乱高下した歴史を持ちます。[1] ワシントンを個人的な英雄と仰ぐジャック・ワーナーの美術館に展示されていましたが、2018年の閉館に伴い、現在は一般公開の機会が限られています。[1] 現代美術家タイタス・カファーは2016年、この作品を再構築した『Shadows of Liberty』を発表し、歴史画に隠された人種や権力の構造を批判的に表現しました。[1] スコットランド人画家ジョン・フェイドが、なぜアメリカの英雄ワシントンの没後にこれほど大規模な騎馬像を描いたのかは、伝記作家の間でも未だに謎とされています。[1] この絵を元にした版画は「子供たちの芸術的感性を養い、道徳に良い影響を与える」として、19世紀アメリカの家庭の居間や教室に飾ることが推奨されていました。[1] クリスティーズの来歴調査によれば、この巨大な肖像画はアメリカの鉄鋼王であり慈善家としても名高いアンドリュー・カーネギーの依頼によって制作されたものです。[1] 実はこの作品は分業によって制作されており、全体の構成はフェイドが担当しましたが、馬の描写に関しては動物画の専門家リチャード・アンスデルが筆を執ったと言われています。[1] 1865年、ニューヨークの国家芸術協会はこの作品の版画を購読者限定の特典として発行し、南北戦争直後のアメリカで愛国心を象徴するイメージとして普及させました。[1]