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Modern Rome – Campo Vaccino
J. M. W. Turnerこの作品について
描かれているもの
タイトルの「カンポ・ヴァッチーノ」は「牛の放牧場」という意味。かつての栄光の地ローマ・フォロが、当時は家畜が歩くのどかな牧草地だったという皮肉な現実を描いています。[1] 画面には古代、ルネサンス、バロックの建築が混在。栄華を極めた文明の没落と、そこに生きる現代のヤギ飼いたちを対比させ、諸行無常の響きを表現しています。[1]
背景と物語
結局、英国側は落札額に見合う資金を調達できず、作品はロサンゼルスのゲッティ美術館へ。大英帝国の至宝が海を渡ったことは、当時の英国で大きな波紋を呼びました。[1] 2010年のオークションでは、当時のターナー作品として史上最高額の約2970万ポンドで落札。わずか5分間の競り合いで、美術界に大きな衝撃を与えました。[1] 英国の至宝が海外へ流出するのを防ぐため、政府が一時的な輸出禁止措置を発動。国内の美術館が買い戻すための猶予期間が設けられるほどの国家的事件となりました。[1] ターナーが20年にわたり描き続けたローマ・シリーズの最後を飾る集大成。巨匠が「永遠の都」に捧げた、美しくも切ない最後のお別れと言える記念碑的な作品です。[1] 1878年、ローズベリー伯爵夫妻が新婚旅行中にこの絵を購入。以来100年以上にわたり、一族の邸宅で大切に守り続けられてきたというロマンチックな伝来を持っています。[1] ターナーが画家としての絶頂期に、過去2回のローマ訪問で書き溜めた膨大なスケッチを元に制作。記憶の中で昇華された「理想郷としてのローマ」が描かれています。[1] 制作から170年以上経過しているにもかかわらず、保存状態は「非の打ち所がない」ほど完璧。ターナーが意図した繊細な光の粒子が、当時のままの輝きを保っています。[1]