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美術館展覧会
バラを持つマリー・アントワネット

バラを持つマリー・アントワネット

Élisabeth Louise Vigée Le Brun
Date1783年
SourceWikipedia
画像出典Wikimedia Commonsパブリックドメイン

この作品について

描かれているもの

背景の樹木の配置や構図には、17世紀の巨匠ヴァン・ダイクによる宮廷肖像画の影響が色濃く反映されている。作者はルーヴル宮殿で彼の作品を繰り返し模写し、伝統的な気品を自らの様式に取り入れた。[1] 頭部を飾るダチョウの羽根は、当時のファッションリーダーであったマリー・アントワネットが特に好んだ装飾である。彼女の洗練された装いは、1780年代のヨーロッパ社交界における流行の最先端となった。[1] 王妃が手に持つバラは、彼女が小トリアノン宮殿の庭園で自ら栽培するほど愛した花である。このモチーフは、王妃の個人的な趣味と、自然を愛でる当時の啓蒙主義的な感性を象徴している。[1]

技法と様式

王妃の髪が銀色に見えるのは、当時の流行であった髪粉(小麦粉や米粉)を使用しているためである。画家は、粉を振った髪の質感や、真珠の輝きを繊細な筆致で描き分け、王妃の美しさを際立たせている。[1]

背景と物語

王妃マリー・アントワネットの寵愛を受けた女性画家、エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランによる肖像画。1783年、王妃が28歳の時に、フランス革命が勃発する数年前の華やかな宮廷文化の中で制作された。[1] 現在はヴェルサイユ宮殿のコレクションの一部として、王妃が最も愛した離宮である小トリアノン宮殿のダイニング・ルームに展示されている。彼女が実際に過ごした空間で、当時の面影を今に伝えている。[1] 当初出品した「シュミーズ姿」の肖像画が、王妃として不適切な「下着姿」であると激しい批判を浴びたため、急遽描き直された。本作は、王妃の威厳を保つための公的な肖像画としての役割を担っている。[1] 前作で批判された輸入綿のドレスに代わり、本作ではリヨンの絹織物産業を支援する姿勢を示すため、あえて豪華なフランス製シルクのドレスが選ばれた。ファッションを通じて王室の経済的貢献をアピールしている。[1] 本作は、ロココ様式の優雅さを残しつつも、より端正で古典的な表現へと移行する過渡期のスタイルを示している。革命直前の絶対王政が放った、最後の輝きを象徴する美術史的に重要な作品である。[1]

Images courtesy of partner museums. All artworks are in the public domain.