リュート
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見どころ
1分40秒
解説の書き起こしと出典
事実に基づく記述には出典を明記しています。番号は下の一覧に対応します。
1943年、マティスは73歳でした。若き日、法律家を目指しながら療養中に絵具と出会い、芸術の道を選んだ男が1、長い画業の末にたどり着いた境地がこの一枚に宿っています。 画面中央でリュートを奏でる女性をご覧ください。白いドレスが光を集め、室内に静謐な時間が流れています。 リュートという古楽器は、西洋絵画において「音楽の喜び」や「調和」の象徴として長く描かれてきました。マティスがこの楽器を選んだことは、絵画そのものを音楽のように構成しようとする意志の表れとも読めます。 テーブルには色彩が置かれ、空間全体が装飾的なリズムで満たされています。1917年にニースへ移ったマティスは、より穏やかで官能的な室内世界を追求するようになりました。2 演奏者の顔は、感情を細かく描写するのではなく、簡潔な線で示されています。形を単純化することで色彩と構図に力を集める、これがマティスの本質的な革新でした。3 音楽と絵画が静かに溶け合う、晩年の成熟がここにあります。
出典(3)
- 1.en.wikipedia.org — 20歳で盲腸炎の療養中に母から絵具を贈られたことが、マティスの画業の始まりでした。法律家を目指していた彼は、この時「楽園のようなもの」を見出し、父の反対を押し切って芸術の道へ進む決意をしました。
- 2.en.wikipedia.org — 1917年に南仏ニースへ移住すると、作風はより穏やかで装飾的なものへと変化しました。1920年代のこのスタイルは、フランス絵画の古典的伝統を継承するものとして、批評家からも高い評価を得ました。
- 3.en.wikipedia.org — 1905年のサロン・ドートンヌで、批評家が彼の激しい色彩を「野獣(フォーヴ)」と呼んだことが、フォーヴィスムの由来です。自然の色に囚われない主観的な色彩表現は、当時の美術界に大きな衝撃を与えました。
