Harvest time. Croppers
Grigoriy Myasoyedovこの作品について
描かれているもの
美術史家イリーナ・シュヴァロワは、ロシア絵画において農民の労働が「力強い創造の始まり」として、これほどまでに偉大かつ美しく描かれたのは本作が初めてであると高く評価しています。[1]
技法と様式
風俗画と風景画を融合させた独自のスタイルを確立。黄金色のライ麦畑と青い空のコントラストが、過酷なはずの農作業を、まるで神聖な儀式のような輝きで包み込んでいます。[1]
背景と物語
横幅が2.8メートルを超える巨大なキャンバスは、単なる風景画の枠を超えた迫力を持っています。農繁期の熱気と、労働がもたらす高揚感を見事に視覚化しています。[1] 皇帝アレクサンドル3世が1887年の展覧会で本作をひと目見て気に入り、その場で購入を決めました。長らくガッチナ宮殿の皇帝の接見室に飾られていた、皇室お気に入りの一枚です。[1] 第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの侵攻から守るため、この巨大な絵画はガッチナ宮殿からウラル地方のサラプルへと鉄道で緊急避難させられました。戦火を逃れた奇跡の作品と言えます。[1] 戦後、プーシキン市やパヴロフスクを転々とした後、1959年になってようやく現在の安住の地であるサンクトペテルブルクの国立ロシア美術館へと収蔵されました。[1] ロシア帝国の各地を巡回展示された後、1893年にはシカゴ万国博覧会にも出品されました。ロシアの農村風景の力強さを世界に知らしめた国際的な作品でもあります。[1] 当初、画家は風景画を描いていましたが「退屈だ」と感じて断念。そこに農民の労働の姿を加えることで、ロシア美術史上初となる「労働の美」を讃える記念碑的な傑作へと昇華させました。[1] 1887年の展覧会では、ロシア美術の至宝『モロゾヴァ夫人』や『キリストと罪女』と並んで展示されました。名作がひしめく中で、本作は「ロシアの夏に抱かれるようだ」と絶賛を浴びました。[1] 画家のミャソエードフは社会批判的な「移動派」の創設者ですが、本作はあまりに美しく描かれたため「農民の悲惨な生活を隠している」として、後に一部の批評家から皮肉を言われることもありました。[1]