Candaules, King of Lydia, Shews his Wife by Stealth to Gyges, One of his Ministers, as She Goes to Bed
William Ettyこの作品について
描かれているもの
物語は残酷です。妻の裸を部下に覗かせた王は、それに気づいた妻の復讐に遭います。部下は「王を殺して自分が王になるか、自分が死ぬか」という究極の選択を迫られ、王を暗殺しました。[1] 観客が王妃の真後ろに立つような構図になっており、絵を見る人自身が、王に命じられて覗き見をする部下と同じ「のぞき魔」のような背徳感を感じるように設計されています。[1] 王妃が持つ布が、ベッドに横たわる王の脚を遮るように垂直に描かれています。これは、強い女性の手によって王の権威や男性性が象徴的に「去勢」されることを暗示しています。[1]
技法と様式
エティは腕を描くのが苦手だったため、胴体を強調するためにモデルの腕を体から離したり、高く上げさせたりするポーズを多用しました。本作の王妃のポーズもその工夫の一つです。[1] 王妃の姿は生身のモデルを見て描かれましたが、背景や王の姿は後からスタジオで描き足されました。そのため、他の部分に比べて王妃の肉体だけが際立って詳細に描写されています。[1]
背景と物語
当時の批評家から「ポルノ的」と非難され、イギリス人らしくない不道徳な作品だと酷評されました。外国の画家の不潔な作品のようだとまで言われ、激しいスキャンダルを巻き起こしました。[1] パン屋の息子だったエティは、後に風景画の巨匠となるジョン・コンスタブルを抑えて王立芸術院の正会員に選ばれるほどの、当時非常に評価の高い画家でした。[1] 当時のイギリスには裸体画の伝統がなく、風紀を乱すものとして抑制されていました。エティは批判を浴びながらも、イギリス人として初めて裸体画を専門とした先駆的な画家です。[1] 発表から約20年後、ある雑誌がこの作品を含むコレクションの複製権を買い取りましたが、あまりに不道徳であるという評判が根強かったため、この作品だけは複製が配布されませんでした。[1] 画家のエティは「女性は男性の所有物ではない」という教訓を込めたつもりでしたが、説明不足だったため、世間からは単なるエロティックで暴力的な絵画だと誤解されてしまいました。[1]