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Brazen Serpent

Fyodor Bruni
Date1841
Departmentcanvas
SourceWikipedia
画像出典Wikimedia Commons ・ パブリックドメイン

この作品について

描かれているもの

天から毒蛇が雨のように降り注ぐという、旧約聖書の衝撃的な場面が題材です。救いを求めて青銅の蛇を仰ぎ見る者と、呪いの言葉を吐きながら死ぬ者の対比が鮮烈に描かれています。[1] 石にしがみついて泣く孤児の少女は、この世で頼るものをすべて失った絶望を象徴しています。彼女の傍らには、飢えで亡くなった幼い弟までもが描き込まれるという徹底した悲劇性です。[1] 死にゆく花嫁の目を、男が無理やりこじ開けて救いの象徴である「青銅の蛇」を見せようとする衝撃的な場面があります。信仰による救済と、残酷な死の際どい境界線が表現されています。[1] 画面中央には預言者モーセが立っていますが、観客の目はまず手前で苦悶する人々に奪われます。救済の象徴よりも、神の罰による阿鼻叫喚が主役のように描かれているのが特徴です。[1]

技法と様式

巨大なキャンバス自体の重さだけで約70キログラムもあります。その圧倒的な重量とスケールから、ブリュロフの作品と並び「ロシア絵画の巨像」という異名で称賛されました。[1]

背景と物語

縦5.6メートル、横8.5メートルという、ロシア美術館で最大のキャンバス画です。その面積は約48平方メートルに及び、19世紀前半のロシア歴史画において最大級の規模を誇ります。[1] ブルーニはこの1枚を完成させるために、1827年から1841年までの実に15年もの歳月を費やしました。イタリアとロシアを行き来しながら、執念で描き上げられた超大作です。[1] 舞台はアラビアの砂漠ですが、画家は一度も現地を訪れたことがありません。不気味な岩山や蛇が降る嵐の空は、すべてブルーニの想像力だけで生み出された架空の光景です。[1] 本作は、先行する名作『ポンペイ最後の日』と常に比較され、ライバル関係にありました。現在もロシア美術館では、この2つの巨大な傑作が隣り合わせで展示されています。[1] 絶望に震える群衆の中に、画家の妻アンジェリカの面影を持つ女性が描かれています。厳格な歴史画という枠組みの中に、画家の個人的な愛情が密かに投影されているのです。[1]