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都内5館が2027年の展覧会を合同発表——東京初公開や数十年ぶりの回顧展、4館でやきもの展も

荏原 畠山美術館、静嘉堂文庫美術館、泉屋博古館東京、東京ステーションギャラリー、パナソニック汐留美術館の2027年を、共通する見どころとはしごの組み合わせで紹介します。

この記事は artible 編集部が独自に書いたもので、展覧会の主催者や美術館による公式の解説ではありません。

合同記者発表会のフォトセッションで並ぶ5館の代表者。背後のスクリーンに「都内5美術館 2027年開催企画展 合同記者発表会」
artible 編集部撮影・2026年10月5日 合同記者発表会のフォトセッションにて

2026年10月5日の合同記者発表会では、5館の館長と学芸員が2027年の展覧会を順に紹介しました。合同発表は今年で11回目です。

5館の2027年の展覧会カレンダー

2026年11月12月2027年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
荏原 畠山美術館
1/16〜3/22安井賞受賞者回顧展1 遠藤彰子—ときの幾重
4/10〜6/13畠山コレクション 能装束と色絵磁器(仮)
7/24〜9/12華麗なるNIPPONアンティーク陶磁 日米貿易の祖・森村組創業150年 オールドノリタケとオールド大倉(仮)
10/9〜12/5新館開館3周年記念・能登復興祈念 能登の美、時を超える絆—畠山コレクションから長谷川等伯、そして未来へ(仮)
静嘉堂 @丸の内
11/21〜1/17THE MASKS 仮面に魅せられた人々
1/30〜3/28おひなさまと浮世絵の源氏絵—岩﨑夫人が愛した品々
4/10〜6/27日本のやきもの—京焼と古伊万里、茶道具の美
7/10〜9/26みやこのかたな—京物と大和物の系譜
10/9〜静嘉堂@丸の内 5周年記念展 美の福音—幻の名作、山本芳翠《天女》《十二支》一挙公開
泉屋博古館 東京
1/30〜3/22住友洋画 Collection Dig!—このよの花とであう、よろこびの絵画(仮)
4/10〜5/23そは、誰が袖 TAGASODE -Whose Sleeves?-
6/5〜8/1生誕150年 木島櫻谷
9/18〜12/5華やぎのうつわ—京焼からオールドノリタケへ
東京ステーション ギャラリー
11/21〜1/31ニコライ・アストルップ 創造する庭
2/20〜4/11生誕140年 染織家 山鹿清華
4/29〜6/20秦テルヲ 聖と俗(仮称)
7/3〜8/29シカゴ 写真と越境(仮称)
9/18〜11/7梶田半古(仮称)
11/27〜エレン・テスレフ(仮称)
パナソニック 汐留美術館
1/16〜3/22スウェーデンのうつわ グスタフスベリのある暮らし
4/10〜6/20ひろしま美術館コレクション 美の交響—フランス近代美術と日本洋画の100年
7/15〜9/23Dancing Bauhaus, Beyond 踊るバウハウス、その先へ〔仮〕
10/16〜12/19女性建築家をテーマとした建築展(仮)
赤い線が今日。会期は2026年10月5日時点の予定です。休館日は館ごとに違うので、出かける前に各館の公式サイトで確かめてください。

5館の展覧会を並べると、共通する見どころが3つ見えてきます。

共通する見どころ 1初公開や数十年ぶりの作品が、5館すべてに

初公開の作品や数十年ぶりの展示は、2027年の5館すべてに共通しています。各館の目玉を1つずつ挙げます。

荏原 畠山美術館は、秋の長谷川等伯の展覧会で、能登半島地震で被災したお寺に伝わる作品を、東京で初めてまとめて紹介します。

静嘉堂@丸の内は、山本芳翠(ほうすい)が明治のはじめにパリ留学中に描いた大作《天女》を、東京で初めて公開します。

泉屋博古館東京は、京都の日本画家・木島櫻谷(このしま・おうこく)の、過去最大規模の回顧展を開きます。初出展の作品も加わります。

東京ステーションギャラリーは、震災で焼失したと考えられていた秦テルヲ(はだ・てるお)の絵巻《吉原長巻》を、東京で初めて公開します。長さは6メートルを超えます。

パナソニック汐留美術館には、モネやセザンヌ、マティスらの絵画を持つひろしま美術館のコレクションが来ます。東京でまとめて紹介されるのは約45年ぶりです。

共通する見どころ 2北欧の陶磁器から京焼、オールドノリタケまで、4館でやきもの展

2つめは、やきものです。季節ごとに館を移りながら、1年を通してどこかでうつわの展覧会が開かれています。

冬の汐留では、リサ・ラーソンも在籍したスウェーデンの陶磁器メーカー「グスタフスベリ」を紹介します。春の静嘉堂では、京都のやきもの「京焼」や江戸時代の磁器「古伊万里」、茶の湯の道具が並びます。

夏の畠山と秋の泉屋は、どちらもオールドノリタケを取り上げます。明治から昭和にかけて日本で作られ、海外へ輸出された陶磁器です。白金台の展覧会が9月12日に終わると、6日後に六本木一丁目で次の展覧会が始まります。

共通する見どころ 3岩崎家と住友家、美術品を集めた家族が主役の展覧会が冬に2館で

静嘉堂文庫美術館は三菱の岩崎家、泉屋博古館東京は住友家が集めた美術品をもとにした美術館です。2027年の冬、この2館がそろって「集めた人」そのものに光を当てます。

静嘉堂では、岩崎家の夫人のひとりが集めた浮世絵が初めて公開されます。夫が妻に贈った特注の雛人形も並びます。

泉屋では、住友家の当主・住友春翠(しゅんすい)が1897年の欧米視察でパリから持ち帰ったモネを起点に、息子たちの代までの洋画コレクションを紹介します。

荏原 畠山美術館は、秋に長谷川等伯の仏画を能登から

公式ホームページ

荏原 畠山美術館

荏原 畠山美術館は、東京都港区白金台2丁目にある美術館。所蔵品は茶道具を中心とした日本・東洋の古美術品、国宝6件を含む。実業家畠山一清が自らの収集品を公開するために開館した。

hatakeyama-museum.org

荏原製作所の創業者・畠山一清が集めた美術品をもとにした美術館です。茶道具や能装束などのコレクションを本館で、企画展を新館で見せています。

秋は、創設者のルーツである能登・七尾に生まれた絵師、長谷川等伯の若いころの仏画を集めます。能登半島地震で被災したお寺に伝わる作品を、東京でまとめて紹介するのは初めてです。

荏原 畠山美術館

東京都港区白金台2-20-12

  • 都営浅草線「高輪台」駅 A2出口から徒歩5分
  • 東京メトロ南北線・都営三田線「白金台」駅 1番出口から徒歩10分
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静嘉堂文庫美術館は、秋に山本芳翠《天女》を東京初公開

公式ホームページ

静嘉堂文庫美術館

seikado.or.jp

三菱の二代目社長・岩﨑彌之助と、息子で四代目社長の小彌太が集めた美術品をもとにした美術館です。丸の内の明治生命館の1階にあります。

2027年は、丸の内に開館して5年になります。秋の記念展では、山本芳翠がパリ留学中に描いた《天女》を東京で初めて公開します。

静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1階

  • 東京メトロ千代田線「二重橋前〈丸の内〉」駅 3番出口直結
  • JR「東京」駅 丸の内南口から徒歩5分
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泉屋博古館東京は、夏に木島櫻谷の過去最大の回顧展

公式ホームページ

公益財団法人 泉屋博古館

泉屋博古館東京 <六本木> | SEN-OKU HAKUKOKAN MUSEUM TOKYO

泉屋博古館東京<六本木>のWebページです。展覧会・イベント情報やお知らせなどの発信、館蔵品のご紹介など。

sen-oku.or.jp

住友家が集めた美術品をもとにした美術館で、本館は京都にあります。2027年は東京館の開館25年。洋画、きもの、日本画、うつわと、季節ごとにまったく違う分野を見せてくれます。

夏には、京都の日本画家・木島櫻谷(このしま・おうこく)の回顧展が開かれます。雪の夜の竹林を歩く一匹の狐を描いた代表作《寒月》は、会期中ずっと展示されます。

泉屋博古館東京

東京都港区六本木1-5-1

  • 東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅 北改札正面出口から徒歩3分
  • 東京メトロ日比谷線「神谷町」駅 4b出口から徒歩10分
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東京ステーションギャラリーは、山鹿清華、秦テルヲ、梶田半古の回顧展が続く

公式ホームページ

東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリーの公式サイトです。東京ステーションギャラリーは1988年から東京駅丸の内駅舎内で活動を続ける美術館です。開館以来、駅舎の構造を露わにしたレンガ壁の展示室と、ユニークな展覧会で親しまれています。

ejrcf.or.jp

JR東京駅の丸の内北口改札の前にある美術館です。リニューアルから15年目となる2027年について、同館は「特別な事は何もしません。いつもどおり全力投球で質の高い展覧会を開催し続けます」としています。

2027年は、染織家・山鹿清華(やまが・せいか)の40年ぶりの回顧展、秦テルヲの24年ぶりの回顧展、日本画家・梶田半古(かじた・はんこ)の回顧展が続きます。秋にはフィンランドの画家エレン・テスレフの、日本で初めての個展も始まります。

東京ステーションギャラリー

東京都千代田区丸の内1-9-1

  • JR「東京」駅 丸の内北口改札前
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パナソニック汐留美術館は、北欧のうつわ、バウハウス、女性建築家の建築展

公式ホームページ

パナソニック汐留美術館 Panasonic Shiodome Museum of Art | Panasonic

パナソニック汐留美術館(東京・汐留)ではフランスの画家ジョルジュ・ルオーのコレクションを常設・企画展で一般公開するほか「建築・住まい」「工芸・デザイン」をテーマとした企画展を開催しています。

panasonic.co.jp

パナソニックの美術館で、フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設で見られる「ルオー・ギャラリー」があります。企画展のテーマは、美術に加えて工芸、デザイン、建築、住まい。

2027年は、北欧のうつわ、広島の美術館のフランス絵画、バウハウス、女性建築家と、4つのまったく違う入り口が用意されています。

パナソニック汐留美術館

東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階

  • 都営大江戸線「汐留」駅から徒歩約5分
  • 東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅から徒歩約6分
  • JR「新橋」駅から徒歩約8分
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2館をはしごするなら、時期別のおすすめ5ルート

中身がつながる2館の組み合わせを、どちらの館も開いている期間とあわせて紹介します。

1月30日〜3月22日は、泉屋博古館東京で住友家の当主が選んだモネを見てから、静嘉堂@丸の内で岩崎家の雛人形を見る組み合わせです。ひな祭りの季節に合います。

4月29日〜6月20日は、丸の内の2館を歩いて回れます。静嘉堂で茶の湯のうつわを見てから、東京駅をはさんだステーションギャラリーで秦テルヲの《吉原長巻》を見る順がおすすめです。

7月15日〜8月29日は、汐留のバウハウス展と、東京駅のシカゴの写真展をあわせて見られます。バウハウスは20世紀のデザインを変えたドイツの美術学校で、その考え方はシカゴにも渡りました。

7月24日〜9月12日は、汐留のバウハウス展と、白金台のオールドノリタケ展を見比べられます。どちらも、暮らしにかかわるデザインに目を向ける展覧会です。

10月9日〜12月5日は、泉屋博古館東京のうつわ展と、荏原 畠山美術館の長谷川等伯展をあわせて回れます。2館は東京メトロ南北線の沿線です。

1月16日、汐留と白金台から5館の2027年が始まる

最初に新しい展覧会を開くのは1月16日。パナソニック汐留美術館のグスタフスベリ展と、荏原 畠山美術館の遠藤彰子展です。1月30日には泉屋博古館東京と静嘉堂@丸の内が続き、2月20日に東京ステーションギャラリーの山鹿清華展が加わります。

2月20日には、5館すべてで2027年の展覧会が始まっています。展覧会の詳しい内容が発表されたら、この記事と各館の展覧会ページを更新していきます。

参考文献・出典(7)