第4章 ・ 見どころ
下絵と工房 — 大装飾の舞台裏(見どころ)
見どころ
- 木に縛りつけられ、矢に射られた殉教者セバスティアヌス
- 信仰への献身を象徴するように、殉教者を包む輝く光
- 素早く確信に満ちた筆致で描かれた下絵
- 承認を得るために提出された、最初の構想
書き起こし
ヴェネツィアが生んだ最後の巨匠、ティエポロ。この作品は、ドイツ南部の教会に贈られた祭壇画のための承認用スケッチです。本番の制作に入る前に、依頼主へ見せるために描かれたものでした。 画面の中心に立つのは、聖セバスティアヌス。木に縛り付けられ、矢で射られたキリスト教の殉教者です。 その顔をよく見てください。苦悶ではなく、静けさが漂っています。信仰への献身を象徴するように、体は輝く光に溢れています。 縛り付けられた枯れ木は、死の象徴でありながら、殉教者を十字架に見立てる図像の伝統でもあります。 黄金色の雲に乗る天使たちは、この場面を地上の出来事ではなく、天へと昇華する瞬間として演出しています。 素早く確信に満ちた筆致は、スケッチでありながら完成作の輝きを宿しています。これがティエポロの力です。
出典(5)
- 1.本作は、最終的な制作を開始する前に承認を得るために提出された、ティエポロによる最初のデザインである。The Cleveland Museum of Art
- 2.制作技法として、素早く確信に満ちた筆致が用いられているのが特徴である。The Cleveland Museum of Art
- 3.木に縛り付けられ、矢で射られたキリスト教の殉教者セバスティアヌスの姿が描かれている。The Cleveland Museum of Art
- 4.建築、絵画、彫刻、装飾的なスタッコ細工を含む、綿密に構成された装飾プログラムの一部をなしている。The Cleveland Museum of Art
- 5.信仰への献身を象徴するために、殉教者が輝く光に溢れている様子が表現されている。The Cleveland Museum of Art