第2章 ・ 見どころ
物語を演じさせる — 文学と神話の舞台(見どころ)
見どころ
- 騎士リナルドの盾に映し出される、先祖の英雄的な行い
- 先祖に倣うよう促す、アスカロンの魔術師
- アルミーダの島から運んできた舟が、彼を降ろしたパレスチナの海岸
- 自らの使命に真摯に向き合いはじめた騎士リナルド
書き起こし
こちらに立つのはアスカロンの魔術師です。18世紀ヴェネツィアの巨匠ティエポロが描いたこの場面は、16世紀の詩人タッソの叙事詩『解放されたエルサレム』を題材にしています。物語の舞台は十字軍の時代、キリスト教徒とサラセン人が激突する11世紀末のことです。 魔術師が手にするのが、この盾です。彼はその表面に、騎士リナルドの先祖たちの英雄的な行為を映し出し、「あなたもその血を引く者だ」と静かに語りかけます。 リナルドの表情をご覧ください。以前の場面と比べ、彼の眼差しには迷いよりも覚悟が宿っています。 鮮やかな赤いマントは、ティエポロ得意の軽やかで明るい色彩感覚を示しています。この輝くような色調こそ、ロココ絵画の真骨頂です。 この絵はヴェネツィアの貴族コロナロ家の宮殿を飾った連作の一つでした。英雄が誘惑を振り切り使命へ戻る姿は、依頼主一族にとって市民的義務の手本そのものだったのです。
出典(5)
- 1.16世紀イタリアの詩人タッソの叙事詩『解放されたエルサレム』における、魔女と騎士の逸話を題材としている。Wikipedia
- 2.物語の舞台は11世紀末の最初の十字軍の時代に設定されており、キリスト教徒とサラセン人の戦いが描かれる。Wikipedia
- 3.アスカロンの魔術師がリナルドの盾に先祖の英雄的行為を映し出し、彼に先祖に倣うよう促す場面を描いている。Wikipedia
- 4.リナルドが戦闘に戻る選択をすることは、依頼主のコロナロ家にとって市民的義務を果たすための手本とされた。Wikipedia
- 5.ヴェネツィアの有力な貴族であるコロナロ家の宮殿内にある、装飾された部屋に掛けられていた連作の一つである。Wikipedia