黄色いアイリス
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見どころ
1分29秒
解説の書き起こしと出典
事実に基づく記述には出典を明記しています。番号は下の一覧に対応します。
モネが晩年に向かうにつれ、彼の関心は特定の「場所」へと深く沈潜していきました。1ジヴェルニーの庭を自ら造り上げ、その自然を繰り返し描き続けた画家にとって、植物とは観察の対象ではなく、光と色彩が宿る舞台そのものでした。1 左上に咲くアイリスをご覧ください。輪郭を描くのではなく、色の塊を重ねることで花の存在を浮かび上がらせています。2 画面下部の縦方向に走る力強い筆致は、葉そのものというより、葉が持つ生命の勢いを刻みつけているようです。 青緑の中景では、花と葉が渾然と溶け合い、遠近の境界が曖昧になっています。これは偶然ではなく、視線を画面全体に漂わせるモネの意図的な構成です。 この作品が描かれた1914年頃、モネは睡蓮の連作に没頭し、視力の衰えとも格闘していました。3,4それでも筆は止まらず、むしろ色彩はより大胆に解き放たれていきます。黄色いアイリスは、そのような時間の中で生まれた一枚です。4
出典(4)
- 1.en.wikipedia.org — 1883年から晩年を過ごしたジヴェルニーの家では、大規模な造園を行い、有名な「睡蓮の池」を自ら作り上げました。この庭は、彼にとっての屋外アトリエとなり、数多くの傑作を生み出す舞台となりました。
- 2.国立美術館所蔵作品総合目録 — 素材・技法は油彩・カンヴァス。
- 3.en.wikipedia.org — 人生の最後の20年間、モネはジヴェルニーの庭にある睡蓮の池を主題とした制作に没頭しました。視力の衰えと闘いながら描き続けられた巨大な睡蓮の連作は、彼の芸術の集大成と言える作品群です。
- 4.国立美術館所蔵作品総合目録 — 1914-17年頃に制作された。
