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Venus Verticordia

Dante Gabriel Rossetti
Date1866
Departmentcanvas
SourceWikipedia
画像出典Wikimedia Commonsパブリックドメイン

この作品について

描かれているもの

ロセッティが街で偶然出会った「非常にハンサムな料理人」の女性が最初のモデルでした。名もなき料理人の肉体が、美の女神ヴィーナスの基礎となったという驚きのエピソードが残されています。[1] ヴィーナスが持つ黄金のリンゴは、トロイア戦争の引き金となった「不和のリンゴ」であり、同時にエデンの園の「禁断の果実」も暗示しています。美しさと破滅的な誘惑が表裏一体となっています。[1] 官能的な裸婦像であるにもかかわらず、頭部には聖人の象徴である「光輪(ヘイロー)」が描かれています。聖なる純潔と、世俗的なエロティシズムが同居する、極めて逆説的な表現となっています。[1] 画面には合計10羽の黄色い蝶が描かれています。光輪の周りに8羽、手元に2羽舞う蝶は、伝統的に「魂」の象徴とされ、肉体的な愛だけでなく魂までもが欲望に翻弄される様子を表現しています。[1] ヴィーナスが持つ矢は、息子キューピッドの矢です。その先が彼女自身の心臓に向けられているのは、見る者に対して、抗いがたい強烈な欲望が呼び起こされることを暗示する挑発的な構図です。[1]

技法と様式

制作途中の1867年、ロセッティはヴィーナスの顔を全面的に描き直しました。当初の料理人の顔から、彼のお気に入りのモデルであったアレクサ・ワイルディングの端正な顔立ちへと差し替えられたのです。[1] ロセッティは生涯で多くの女性を描きましたが、本格的な裸婦像を油彩で描いたのは、この作品が唯一の例です。ラファエル前派の道徳的な枠組みから逸脱し始めた、画期的な転換点と言えます。[1]

背景と物語

批評家ラスキンはこの作品の官能性を激しく嫌悪し、描き込まれた花々を「恐ろしいほど下品だ」と酷評しました。この対立がきっかけで、長年の友人だった二人の関係は修復不可能になりました。[1] タイトルは「心を清めるヴィーナス」を意味しますが、ロセッティ自身の詩では、男たちの心を「忠実さから情欲へと変える」存在として描かれています。言葉の意味を逆転させた皮肉な解釈です。[1] 背景を埋め尽くす薔薇とスイカズラは、ヴィクトリア朝の「花言葉」において女性の性的なメタファーでした。ロセッティはこれらを、抑えきれない情熱や欲望の象徴として露骨に配置しています。[1]

Images courtesy of partner museums. All artworks are in the public domain.