肖像画で有名な巨匠レンブラントが生涯で唯一描いた「海景画」です。荒れ狂う波と格闘する弟子たちの姿が、圧倒的な臨場感で描かれています。[1] 聖書の奇跡を描きながらも、船酔いで嘔吐する弟子の姿をリアルに描き込んでいます。神聖な場面に生々しい人間味を加えるのがレンブラント流です。[1] 荒波に揉まれる船員の中に、レンブラント自身の自画像が隠されています。こちらをじっと見つめる一人の男が、若き日の画家の姿です。[1]
描かれた船は当時の北海で一般的だった「フッカー船」がモデルですが、劇的な演出のためにマストを太くし、左右非対称に改造して描かれています。[1]
1990年、警官に変装した泥棒により盗み出されました。被害総額5億ドルを超える、米国史上最大の美術品盗難事件として今なお語り継がれています。[1] ボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館には、盗まれたこの作品の「空の額縁」が、再発見を待つ象徴として今も展示されています。[1] 美術館はこの作品を含む盗難品の回収につながる情報に対し、1,000万ドル(約15億円)という破格の懸賞金を提示し続けています。[1] レンブラントが27歳の時に描いた、初期のキャリアにおける最大級の作品です。ライデンからアムステルダムへ移り、名声を確立し始めた時期の傑作です。[1] ドラマ『ブラックリスト』では、主人公がこの盗まれた本物を裏取引する場面が登場します。現実の未解決事件がフィクションの謎を深めています。[1] 1898年にイザベラ・ガードナーが購入した際の価格はわずか6,000ドルでした。現在では、その価値は数億ドルにのぼると推定されています。[1] 犯人はキャンバスを木枠からナイフで切り取って持ち去りました。古い絵具の層が割れてしまう危険を顧みない、乱暴な手口だったと推測されています。[1]