

旗手として描かれているのはレンブラント自身です。豪華な衣装と鋼鉄の胸当てを身にまとい、自らを力強く誇示する「自撮り」のようなセルフプロモーション作品です。[1] 左側から差し込む強い光が、肩に担いだ白い大きな旗を鮮烈に照らし出しています。この光の演出が、画面全体に劇的な緊張感と躍動感を与えています。[1]
2021年、オランダ政府はコロナ禍で文化予算が削減される中、1億7500万ユーロ(約220億円)という巨額でこの作品を購入し、大きな議論を呼びました。[1] かつてイギリス国王ジョージ4世が所有していましたが、なんと他の絵画数枚と交換で手放してしまいました。王にとっては、手放せる程度の価値だったのかもしれません。[1] オランダ帰還後、アムステルダム国立美術館に収蔵される前に、国内全12州を巡回する異例の「凱旋ツアー」が行われ、国を挙げて歓迎されました。[1] 1844年から2021年まで、170年以上にわたってロスチャイルド家が秘蔵していました。長らく個人蔵だったため、一般の目に触れる機会は極めて限定的でした。[1] かつてフランスの国宝に指定され、ルーヴル美術館に30ヶ月の優先交渉権がありましたが、資金調達ができず、最終的にオランダへの流出を許してしまいました。[1] この名画は、ロスチャイルド家からタックスヘイブンとして知られるクック諸島の信託を通じて売却されました。その不透明な取引ルートも世間の注目を集めました。[1] 高さ約1.3メートル、幅1.1メートルという、肖像画としては等身大に近い大型のキャンバスに描かれており、観る者を圧倒する存在感を放っています。[1] アムステルダム移住直後の作品で、当時最も名誉だった「市民自警団」の集団肖像画の依頼を勝ち取ろうとする、若きレンブラントの野心が漲っています。[1]