Menu
美術館展覧会
The Descent from the Cross

The Descent from the Cross

Peter Paul Rubens
Date1611
Departmentoil paint
SourceWikipedia
画像出典Wikimedia Commonsパブリックドメイン

この作品について

描かれているもの

緊迫した場面をリアルに描くため、梯子の上でキリストを降ろす男の一人は、両手を自由に使うために「白い亜麻布の端を歯で食いしばって」います。ルーベンスらしい、細部への凄まじい執着が見て取れます。[1] 画面下の地面には、キリストの頭を締め付けた「茨の冠」と、手足に打ち込まれた「釘」が、凝固した血とともに銅製の盆の中に生々しく描かれており、直前までの凄惨な拷問の痕跡を物語っています。[1] 三連祭壇画の両翼には、キリストの「誕生」にまつわる場面が描かれています。中央パネルの「死」と対比させることで、キリストの生涯の始まりと終わりを一つの物語として完結させる、壮大な構成になっています。[1] 翼の裏側に描かれた聖クリストフォロスは、単なる伝説の巨人ではなく、カトリックの核心である「聖体(キリストの体)」を運ぶメタファーです。これはプロテスタントの否定に対する、視覚的な反論でもありました。[1]

技法と様式

暗い背景から人物が浮き上がるような強烈な照明効果が用いられています。特にキリストの遺体を包む「白い布」が反射板のような役割を果たし、画面全体に神聖な輝きを与えています。[1]

背景と物語

この傑作を依頼したのは、意外にも「火縄銃手組合」という軍事的なギルドでした。彼らの守護聖人クリストフォロス(キリストを背負う者)にちなみ、キリストの体を支える主題が選ばれたのです。[1] 400年以上前に制作されて以来、二度の略奪による流転の時期を除けば、今もなおベルギーのアントウェルペン大聖堂の「本来設置されるべきだった場所」に展示され続けている、極めて稀な祭壇画です。[1] 当時の宗教改革に対抗し、ルーベンスは聖母マリアを「悲しみに崩れ落ちる弱々しい姿」ではなく、息子の死を毅然と受け止める「不屈の精神を持つ強い女性」として描き、カトリックの教義を強調しました。[1]

Images courtesy of partner museums. All artworks are in the public domain.