Rhubarb
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十年ぶんの赤
1分06秒
アストルップは、三十三歳になるまで、自分の土地を持っていませんでした。育った牧師館は国有の借地。一時は、郵便局の建物に間借りして暮らした人です。この「ルバーブ」は、庭でルバーブを摘む、ただそれだけの光景。けれど彼は、これを千九百十一年から千九百二十一年まで、十年をかけて描き続けました。ちょうど、はじめて自分の土地を手に入れ、庭を築いていった、その歳月とかさなります。もし会場で、アストルップがルバーブを描いた絵の前に立てたら、摘みとられた赤い茎を、少しのあいだ見つめてみてください。十年、絵具が塗り重ねられた場所です。台所にもある、ありふれた野菜の赤。それが、土地を持たなかった男の十年と、どこかで結ばれている。その厚みも、色の深さも、実物の前でしか確かめられないものではないでしょうか。
