

かつては『自画像』として知られていましたが、近年の研究では否定されています。しかし、誰を描いたのかは今も謎に包まれたままです。[1] 胸元でV字を描く重厚な金の鎖は富と地位の象徴ですが、モデルの表情にはどこか遠くを見つめるような哀愁が漂っています。[1] 現在は独特な形状をしていますが、古い模写の存在から、元々は今よりも大きな長方形のキャンバスだったと考えられています。[1]
肉眼では見えませんが、赤外線調査によって右肩の部分に「Rembrandt」という署名が隠されていることが判明しました。[1]
1989年に「レンブラントの真作ではない」と判定されましたが、多くの専門家がこれに猛反発。現在も真贋を巡る激しい論争が続く、いわく付きの傑作です。[1] 18世紀に作られた3種類の版画すべてに「レンブラントが描いた」と明記されており、古くから巨匠の代表作として崇められてきました。[1] レンブラントの弟子フェルディナント・ボルがこの絵を模写しており、1635年頃に師匠の工房にこの作品が確実に存在した証拠となっています。[1] 18世紀イギリスの巨匠ウィリアム・ホガースは、この作品に強いインスピレーションを受け、自身の肖像画のモデルに同じポーズをとらせました。[1] 真作否定の判定に対し、サンパウロ美術館側は「世界中の美術館がその判定を拒否している」と真っ向から反論し、展示を続けています。[1] 保存状態は決して良好ではなく、元の絵具層が重なり合っている箇所があるなど、数世紀にわたる流転の歴史を物語っています。[1]