

1904年の修復で上塗りが剥がされるまで、この人物はミラノ公だと信じられていました。楽譜を持つ手が現れたことで、ようやくモデルが音楽家であることが判明したという驚きの歴史があります。[1] レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた現存する唯一の男性肖像画です。彼の他の肖像画はすべて女性であり、巨匠のキャリアにおいてこの作品は極めて異例でミステリアスな存在といえます。[1] 左右の瞳孔の大きさが意図的に変えて描かれています。医学的にはあり得ない表現ですが、これによって鑑賞者に動きを感じさせ、音楽家の眼差しに強烈な生命力を吹き込む劇的な効果を狙っています。[1] 楽譜には「天使の歌」を意味するラテン語の断片が記されています。これはモデルが単なる演奏家ではなく、神聖な才能を持つ「天使のような歌手」であることを象徴的に示唆していると考えられています。[1]