

Pallas and the Centaur
Sandro Botticelliこの作品について
描かれているもの
パラスが身に纏う繊細なドレスには、メディチ家の紋章である「3つのダイヤモンドの指輪」が模様として贅沢に散りばめられています。[1] 1499年の目録では、知恵の女神パラスではなく、森で育てられた処女戦士「カミラ」として記録されていたという謎が残っています。[1] 女神が持つ武器は伝統的な槍ではなく、当時の衛兵が儀礼用に使っていた「ハルバード(長柄武器)」という非常に珍しい設定です。[1]
技法と様式
ケンタウロスの顔立ちは、ボッティチェッリが直前に手掛けたシスティーナ礼拝堂の壁画に登場する「モーセ」の顔に酷似しています。[1]
背景と物語
1895年にピッティ宮殿の控え室でイギリス人画家によって「再発見」されるまで、この傑作は長らく世間に忘れ去られていました。[1] ケンタウロスの髪を掴むパラスの姿は、人間の「理知」や「純潔」が、野蛮な「情熱」や「欲望」を制圧することを象徴しています。[1] 1830年頃、ボッティチェッリは「時代遅れ」と見なされており、この作品も美術的価値より歴史的資料として扱われていました。[1] この絵は、メディチ家のロレンツォ・イル・マニフィコがナポリ王との外交交渉で平和を勝ち取った政治的勝利の寓意とも解釈されています。[1] 1482年に行われたメディチ家の従兄弟の結婚祝いとして贈られたと考えられており、新郎新婦を二人の登場人物に見立てています。[1]
制作
かつてはメディチ家の邸宅で、あの有名な名画『プリマヴェーラ(春)』と同じ部屋に並べて飾られていたことが分かっています。[1]