この連作は、15世紀のスペイン人修道士、サン・ディエゴ(ディダクス)の生涯を描いています。質素な聖人の奇跡が、壮大なバロック様式で表現されました。[1]
元々はローマの教会の壁に描かれたフレスコ画でしたが、19世紀に壁から剥がされ、キャンバスに移し替えられるという特殊な技術を用いてスペインへと運ばれました。[1]
依頼主のフアン・デ・エレーラはスペインの貴族であり、ローマの地で自国の聖人を祀るために、当時最高峰の画家であったカラッチを指名したのです。[1] この連作は現在、バルセロナのカタルーニャ美術館に9点、マドリードのプラド美術館に7点と、スペインを代表する二つの美術館に分かれて所蔵されています。[1] カラッチが病に倒れた後、ランフランコやアルバニといった、後にバロック美術の巨匠となる弟子たちが筆を執り、師の構想を若き才能たちが完成させました。[1] このプロジェクトは全16点の壁画から成る大規模なものでした。現在は散逸していますが、かつては礼拝堂全体を包み込む壮麗な空間を作り上げていました。[1] 巨匠アニバーレ・カラッチは、この礼拝堂の装飾を自ら指揮していましたが、制作途中に病に倒れてしまいます。結局、残りの作業は弟子たちが引き継ぐことになりました。[1] 壁画の移設費用を負担したのはスペイン王フェルナンド7世でしたが、実際に作品がスペインに到着したのは、王の死から18年も経った1851年のことでした。[1] 依頼主のフアン・デ・エレーラは、自身の息子をキリストに捧げる場面を描かせました。家族の信仰と息子の将来への切実な願いが、聖人の生涯と共に刻まれています。[1]
かつてローマにあったスペインの国立教会を飾っていましたが、教会の改築に伴い美術品が撤去されることに。数奇な運命を経て、作品はスペインへと渡りました。[1]