事実に基づく記述には出典を明記しています。番号は下の一覧に対応します。
レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯手放さなかった一枚です。1依頼主への納品を拒み、10年以上筆を置かなかった。それほどまでに彼が追い求めたものが、この顔に宿っています。1 口元をご覧ください。微笑んでいるのか、いないのか、見るたびに印象が変わる気がしませんか。これは偶然ではありません。レオナルドは「スフマート」と呼ばれる技法で輪郭を意図的にぼかし、口角の境界を曖昧に溶け込ませました。2,3見る者の感情が、表情を作り出す仕掛けです。2 目元にも同じ技法が宿っています。そして気づかれましたか、眉もまつ毛もないことを。最新の調査では、かつてはきちんと描かれていたことが分かっています。長年の洗浄が、少しずつそれを消してしまったのです。4 背景の山並みに目を移すと、地平線が人物の目の高さと重なっています。5人と自然が同じ高みに立つ。この構図が、作品全体に静かな永遠性を与えているのです。5
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