Deposition of Christ
Bronzinoこの作品について
描かれているもの
浮遊する天使たちは絵の外を凝視しています。これは元々礼拝堂の隣の壁にあった「マナの収集」のフレスコ画を見ており、キリストの遺体と聖体拝領の儀式を視覚的に結びつける仕掛けでした。[1] 画面中央でひときわ目立つ聖女クロパのメアリーは、依頼主である公妃エレオノーラ・ディ・トレドを理想化して描いた肖像であると考えられており、公妃の権威を象徴しています。[1]
技法と様式
8年後の複製版では、オリジナルの鮮やかな青が地味な茶色に置き換えられました。これは宗教改革に対抗する反宗教改革時代の厳格な精神を反映し、華美さを抑えた結果だとされています。[1]
背景と物語
メディチ家公妃エレオノーラのために描かれましたが、完成直後に神聖ローマ皇帝の側近への外交的な贈り物として贈られ、フィレンツェからフランスへと渡る数奇な運命を辿りました。[1] 本来左右に配置されていた聖人のパネルは長年行方不明でしたが、1951年に「洗礼者ヨハネ」のパネルが突如再発見されました。現在はロサンゼルスのゲッティ・センターに収蔵されています。[1] フランス革命の際、作品が置かれていた礼拝堂が破壊されましたが、絵画は間一髪でブザンソン市庁舎に移され、破壊を免れました。その後1834年に美術館の所蔵となりました。[1] 当初のサイドパネルにはメディチ家の守護聖人が描かれていましたが、これは単なる信仰心ではなく、メディチ家によるフィレンツェ支配を正当化するための政治的なプロパガンダでもありました。[1] 近年、もう一方の対作品「聖コスマス」の断片が発見されましたが、悪名高い美術商ジュリアーノ・ルッフィーニに関連する偽造品ではないかという疑惑が浮上し、スキャンダルとなりました。[1] 背景の3人の男性は、ブロンズィーノ自身、師匠のポントルモ、そしてライバル画家のバンディネッリの肖像だという説があり、当時の芸術家同士の複雑な関係性が透けて見えます。[1]
制作
現在フィレンツェのヴェッキオ宮殿にある作品は、実は8年後に描かれた「複製」です。オリジナルが贈答品として手放されたため、公妃が自分たちのために改めて描き直させたものです。[1]