棟梁の家族
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見どころ
1分30秒
解説の書き起こしと出典
事実に基づく記述には出典を明記しています。番号は下の一覧に対応します。
前田寛治は、西洋絵画を日本に根付かせようと格闘した画家です。この作品が描かれた1928年は、彼がパリ留学から帰国し、旺盛に制作を続けていた時期にあたります。1 画面の中心に座るのは、棟梁と呼ばれる職人の親方。その眼差しには、一家を束ねる者の静かな威厳が漂います。 テーブルの上に広げられた図面は、棟梁の仕事を象徴するものです。家族の肖像でありながら、労働と生活が不可分に結びついた場を描こうとした意図が、ここに凝縮されています。 着物姿の女性の存在は、この絵が単なる西洋式の家族像ではなく、日本の日常に根ざした群像であることを示しています。 中央に配された子供の姿は、構図の要として家族全体をひとつの画面に引き結んでいます。 前田寛治は、西洋の写実的な手法で日本の庶民の生を描くという、当時としてきわめて意欲的な試みに挑みました。この作品は、その志が結実した一枚です。2
出典(2)
- 1.滝悌三 『前田寛治』 日動出版部 1977年 — 『棟梁の家族』は1928年に制作された。
- 2.滝悌三 『前田寛治』 日動出版部 1977年 — 『棟梁の家族』は油彩・画布で制作されている。
